看護師の国家試験の合格者は、毎年約5万人、准看護師の合格者も含めると、増加傾向にあります。
しかし、看護師の離職率は、毎年11パーセント前後で、国家資格を持っていながら看護師として働いていない人が、約70万人とされているのです。新たに看護師として働く人や、復職した人を含めると、数字の上では看護師は増加傾向にありますが、医療現場では看護師の人材不足が叫ばれています。
医療現場で、看護師の人材不足とされている原因の1つは、退勤時間になっても帰れないという点です。急患が入ったりすると、予定通りに仕事を切り上げることが出来ず、変則的な勤務時間になってしまいます。さらにシフトによっては、夜勤などもあるので時間が不規則になります。
また、医師が行っていた点滴や注射も担当することも多く、カルテの記録や管理などに時間を取られてしまうようです。高齢化社会が進んでいるので、認知症の高齢者が増え、看護師が目を離した隙にトラブルが起きてしまう可能性もあります。付きっきりでケアを行う患者が増えていることで、1人ひとりの負担も大きくなっているのです。
このような日々の業務の多様化によって人材不足を引き起し、結果的に医療機関側は患者の受け入れを制限したり、病床を少なくしています。人材確保の為には、看護師の労働環境を整え、待遇改善をすることが大切です。出産を終えても復帰しやすい雰囲気や、育児と両立しやすい環境を整えることも大切で、医療機関内に託児所などを併設する動きもあるようです。